イノウエ商店日記

釣りとSUPとソトアソビ。仕事や思うことをゆっくりと

草垣群島ロックショア 2020 緊急発進。

2月、建国記念の日2日前、ハルキッタンからの1本の電話から始まった。
『テンテー明後日どっか遊び行こうよ~』

例年2月は仕事も落ち着き、ヒラスズキやクロ釣り、波乗りにちょこちょこ行ける時期ではあるのだが、
今年は何故か仕事に追われ海から遠ざかっていた。
また厳寒期の離島釣行においても過去幾度となく痛い思いをしているので気軽にツアーも組めない。
可能性はあるはずだが、確率で言うと良くはない時期。

頭の悪い僕は何かにつけて言い訳を付け行ってしまう悪い病気みたいだ。
楽し気な彼の語り口調に
『釣れないと思うけど離島行く?』
とつい口走ってしまう。間髪入れず彼は
『美味しいコーヒー飲めるならと』
彼も僕と同じ病気を患っているようだ。

そうと決まれば渡船の手配から、人数の確保、準備、仕事の段取り等
あわただしい時間を迎える事になる。

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緊急で招集をかけるも、さすがに2日後の祝日。
予定が入ってない人を探す方が難しい。

その中、この時期仕事が多忙な将軍様に連絡を取ると
『仕事がですねー。ちょっと待っててくださいね』
『釣れないと思うから無理しないでね』
2分後、折り返しの電話が来る。
『行きます。行きましょう』とテンション上がり気味に話す。
『大丈夫??』と聞き返すが
『もう磯上がれるだけでもいいっす』
間違いなく彼も病気だ。

幸い渡船はいつもお世話になる『栄真丸』が草垣にジギングに行くとの事で
乗り合わせてもらう事になった。

 

一本の電話より4時間後、出発への準備は整った。
あとは出発に向けて仕事をかたずける事となる。

今回は磯3人、ジギング1人計4人での出発。
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いつもぎゅうぎゅうの船内は広々と使え、ゆっくりはできるが
少しさみしい気もした。

寝てるか寝てないか分からない数時間の船旅もエンジンのスローダウンで
急いで船外へ出る。
そこには、いつもと変わらない猛々しい岩山が広がり
何度来ても毎回同じ、雄大さ、恐さ、不安、期待に震え上がる。

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暗いうちに渡礁し、何の確認もないまま各々、準備を始める。
今回のタックルはレイジングブル107XR-2/BにキャタリナLD30にPE6号に
アシストラインを20m+フロロ130LB10mのシステム。
大型カンパチに狙いを絞りレイジングブル106XX/Bを使いたいところだが
先日、負傷した足がまだ完全な状態ではなかったため自分の使える限界をXR-2にした。
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ルアーの着水点が何とか、わかるようになったころのスタートだ。
明るくなり始め、海面が徐々に見え始めると、いい感じに潮は流れるべき方向に
しっかりと動いている。
ベイトらしき反応も時折確認できる。数投げるとポッパーに何かしらがバイトするも
フッキングには至らない。
その後、完全に明るくなるも、その一度きりで朝マヅメをあっさり外した。

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同礁者もカスミのチェイスがあったりと何かしらの反応はあったようだが
同様にフッキングには至らなかったようだった。

潮の変わるタイミングで瀬替わりをすることにした。
2ヵ所目、南側水道に位置する独立礁に渡ることにする。
潮の止まるタイミングだがまだ上げ潮が残る。そそくさと準備を済まし
少し投げていると徐々に潮が緩んだ。
その時東側で投げていたハルキッタンが叫んだ。


ロックショア草垣群島

目測だが軽く10kgは超えるであろうカンパチに主導権も与えず、1分程度で
勝負をつける。
魚を完全に浮かし、あとはランディングだという所で痛恨のフックオフ。
大型魚をターゲットにするときにバーブレスフックにハンドランディングを
実戦する彼は、僕たちが持って行ったギャフのせいで一瞬の油断があったのか
身切れをしたのかは動画を見返してもわからない。
魚の姿が見えただけに、悔しい結果になった。
すぐにま3人して投げるも反応はその1発のみ。

しばしのブレークタイムを取る。

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魚は釣れてないくせに、磯の上で豆を挽き、ゆっくりコーヒーを飲む。
余裕のない大人が余裕を見せる一瞬であり、雰囲気だけを噛みしめながら
至福の時間を過ごす。

残り2時間ほどあの手この手で投げ倒すが、魚からのコンタクトはなく
今回の釣行は終了した。

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今回も魚を持ち帰ることは出来なかったが、カンパチの姿は見れた。
厳寒期のショアカンパチ、まだまだ諦めてはいけないのではと思う釣行であり
また、来ないといけない理由ができた。

今からが本番。
3月、4月の草垣群島ロックショアツアーは海況に恵まれるといいな。